Vol. 1  好きを持つ。好きに持つ。

株式会社テンネット代表取締役 宇野由紀子さん

第1回目のインタビューのお相手は株式会社テンネットの代表取締役であり、「impress & organize」 店主の宇野由紀子さん。ライフテクスチャリスト、質感研究室室長というちょっと変わった肩書きもお持ちです。宇野さんは2002年に整理・収納用品専門のWEBショップ「収納の巣」を立ち上げ、2012年に運営会社である株式会社テンネットの代表取締役に就任されました。日常のスムーズを支えるのはもちろん、自分の“好き”をクリアにするのも収納の役割だとおっしゃいます。2017年には「収納の巣 本店」の名称を「impress & organize」としてリニューアルオープン。収納の可能性を広げ続ける宇野さんにお仕事のこと、ご自身のことについてお話を伺いました。
 

 
 

 
 
—今年、ショップ名が「収納の巣」から「impress & organize」に変わったのですね。
「impress & organize」というフレーズは、2012年に株式会社テンネットを設立した当時からテンネットのロゴマークと一緒に掲げていたものです。誰でもモノとは一生かかわっていきますよね。だったら収納を煩わしいことと思わず楽しく向き合いたい。実用性は確保しつつ、楽しいもの・心躍ることを提案したいと思って仕事をしてきました。特に最近は、好きなものとどうつながるかを考え、提案する部分が大きくなっていて、伝えたいことが「収納の巣」という名前に入りきらないと感じるようになりました。 そんな想いとともに商品や活動にも広がりを出していきたくて。
 
 
—入りきらない部分が「impress」 “ココロ弾む” のカテゴリーとなるのですか?
「impress」の商品カテゴリーの中に「VIVIDEEP」という新しい収納レーベルがあります。桐の重ね箱やアイアンラック等が並んでいますが、これらは以前「ワタシにオサメル展」という展覧会を開いた際に作品として発表したものがベースになっています。その時は商品化するつもりはなく、私の考える収納の役割や意味を伝えたいという想いで作りました。
 
 

桐の重ね箱「クーシュ」 
『クーシュ( COUCHE)』とは、フランス語で“層”の意味。
好きなもの、大切なものを一段一段に収めることで喜びの“層”に。
 
 

アイアンラック「シルエット」
“好き”を選びとってここに飾り収めるのは、今の自分と向き合う行為にも。
 
 
ご覧のとおり収納力はないですよね(笑)これに「何を収めたい?」「何をかけたい?」と問いかけながら“好き”を選んでもらいたい。“好き”を浮き彫りにする装置のようなものです。 普通は収めたいモノが先にあって容れ物を探すのでしょうけれど、その逆があってもいいですよね。好きなものをクリアにするのも収納の役割だと考えます。実用や効率とは距離のある「収納」も「impress」のラインでは提案していきたいと思っています。
 
 
—「organize」のための収納用品では、開発するときに何を心がけているのですか?
日々の行為と一体化していて、道具として空気みたいな存在がいいですね。使っている煩わしさがないというか…例えばファスナーの引き手って探しづらいし掴みにくい。そこにテープをつけることでその煩わしさを減らすなど、無意識レベルで感じる小さなストレスも軽減したいと思っています。「収納用品を買ったけど使いこなせず、いつの間にかまた散らかるように…」なんてことができるだけ無いようにしたいんです。
 
 
—最近開発された商品にはどんなものがありますか?
去年から開発を始めた「フロントクローゼットシステム」があります。クローゼットの上棚に設置することで洋服や小物を前向きにかけるスペースをつくります。
 
 

「フロントクローゼットシステム」
スムーズとハッピーの両方を叶えるクローゼットに。
 
 
クローゼット内でコーディネートを作りスタンバイしておいたり、一度着た洋服の風通しにも使えます。買ったばかりの洋服やお気に入りをディスプレイしてもいいですよね。好きなものを飾るってテンションが上がるし、それに引っ張られるというか導かれて行動が変わります。毎日のコーディネートがスムーズで楽しくなります。機能にハッピーをプラスアルファした自信作です。
 
 
—おすすめ品をひとつだけあげてください、と言われたら?
難しい質問ですね(笑)どなたにも取り入れていただきやすいのはクローゼットブランコでしょうか。
 
 

「クローゼットブランコ」
好きなところに吊るすだけで好みの高さのバーを設置。
 
 
クローゼット内の好きな場所に2段目のバーを作れます。上段にトップス、下段にボトムスをかければ、組み合わせが一覧できてコーディネートが楽。空間も活用できてクローゼットのレイアウトが自由になるのを実感されると思います。色も6色あるので人別に色分けしてもいいですね。2011年に開発したロングランアイテムです。
 
 
—宇野さんがモノづくりや活動を通して伝えていきたいこととは何でしょうか?
ライフテクスチャリストとして、スタイリングからテクスチャリングへ、を目指しています。テクスチャー=質感。「質」は高い低いといった優劣をイメージしがちですが、「質感」は感じる側である自分自身のセンサーがどう捉えるかです。既存のスタイルに合わせなくていいし、他人の目を意識した“スタイリッシュ”が答えではありません。センサーを研ぎ澄ませて自分らしく好きなものをたぐりよせ、自分にとって心地いい暮らしの質感、時間の質感を味わい楽しむことが大切だと思います。「好きを持つ」「好きに持つ」をテーマにこれからもワクワクする提案をあれこれ企画し、収納の可能性を広げていきたいと考えています。
 
 

Impress & organize ショールーム
平日10:00〜12:00 13:00〜17:00で見学の予約を受け付けている。
不定期にワークショップ等も開催。
 
株式会社テンネット
〒550-0001 大阪市西区土佐堀1-4-8 日栄ビルディング9F
TEL:06-6446-0010
HP: http://10net.jp
MAIL: info@10net.jp
 
 
 
【編集後記】
お会いした宇野さんはまるでご自身がアートのよう…そんな印象を受けました。質問ひとつひとつに優しく丁寧に答えてくださり、そのお話から感じられる自由な発想や楽しさが私たちの感性を心地よく刺激します。収納の役割について新たな視点を与えていただきました。今後もユニークでハッピーな提案を続けていかれるであろう宇野さんの活動から目が離せません。楽しみです。
 

 
写真提供 / impress & organize
取材・構成 / 宗由美子 宮嶋直子
※文章・画像等の無断転用禁止
 
 


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